石川県金沢市にあるお香の専門店 香舗伽羅
今日から6月。
ここ金沢はまだ梅雨入りしていませんが、もう間もなくという感じでしょうか。
今回は、タイトルにある「暖簾に込められた思い」についてです。
当店の暖簾には陰陽五行説に基づいて、密かな思いが込められているのです。
陰陽説では自然界にあるものはすべて「陰」と「陽」の性質を持って成り立ち、なおかつ五行説は「木、火、土、金、水」の五行に分類されます。
当店の暖簾にはその陰陽五行の意味が含まれています。両サイドの幾何学的な文様は、「源氏香図、初音」の図柄を使用しています。両サイド右側の塗りつぶしの方が陽、左側の中抜きが陰になっています。
片方があることによって、初めてもう一方も成り立つ、という概念が働きます。暖簾の5枚は五行を意味します。
この源氏香図の文様をご存じですか？「香道」の組香の一つ「源氏香」という香当てゲームで使う図柄です。
５２通りがあり、５つの香木の香りを聞き、同じ香りと思われるものを上線でつなぎます。
５２通りの出来方は、５種類の香木を５包みずつ用意し合計２５包みから５つだけ取り聞き当てます。
数学の順列組み合わせがもとになっています。
源氏物語は５４帖ありますので最初の「桐壺」と最後の「夢浮橋」には文様はありません。
お客様と店側が物事の均衡をとりながらお互いの役割を果たし影響を与えあえる関係を続けていけるよう暖簾に当方の思いが込められています。
